2022.09.13 93pv

顔の左右差に悩む人にも!ハイフをはじめとする美肌治療のプロ

泰好

――ご経歴を教えてください。

看護科のある高校を卒業して看護師になりました。さまざまな現場を経験しましたが、指定難病の患者さんなどが入院する特殊疾患病棟にいた期間が一番長く、そこに6年ほど勤めていました。

その後、美容ナースの仕事に魅力を感じ、湘南美容クリニックに入職しました。東京中央美容外科を経て、2020年からルサンククリニックで働いています。

ルサンククリニックには開院当初から関わっていて、マニュアルの立ち上げや新人指導、リーダー業務も担当してきました。2022年9月現在は、ルサンク銀座でレーザーやハイフなどの施術を行っています。 

――美容ナースに転身したきっかけは?

私が勤務していた特殊疾患病棟は、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった難病の患者さんなどを対象とした病棟です。基本的には、退院されることのない患者さんのケアにあたっていました。

患者さんの年齢や発症した経緯もさまざまですが、皆さんが口を揃えておっしゃるのは「元気なときにいろいろなことを楽しんでおけばよかった」「もっとお化粧もしておけばよかった」などでした。当時から美容に関心があった私が、ケアの一環として患者さんにお化粧をしてあげたこともありましたね。

特殊疾患病棟の患者さんと接するうちに、美を通じて健康な人が人生を楽しむお手伝いをしたいと思い始めるように。もちろん病気を発症した方のケアも必要ですが、その前の段階の人生の楽しみをサポートする美容ナースの仕事に興味が湧いてきたんです。

まずは、皮膚科から外科まで幅広い分野を経験できたらと考え、大手美容クリニックに就職。お客様との向き合い方も含め、たくさんのことを勉強させていただきました。

――ルサンククリニックでは美肌治療全般を担当されているとのことですが、武さんが特に得意とする施術はなんでしょうか?

お客様からお喜びの声をいただけることの多い施術は、ハイフですね。特に、顔の左右差や歪みにアプローチする施術はご好評をいただいています。 

ハイフは、美肌治療の中でも、施術者の技術によって結果に差が出やすい施術だと思っています。私は、お客様の顔の筋肉の付き方、骨格、表情のクセ、左右差など、さまざまな要素を考慮しながら施術しています。カウンセリングの際に悩みやご希望を聞きつつ、顔の筋肉の動きなどもチェックさせていただいています。

機器をあてる角度や強さによっても、施術中の痛みの感じ方が変わってくるようです。「今までのハイフと違う!」とうれしい声をかけてくださるお客様もいて、やりがいを感じています。

――アクティブな趣味が多いと聞きました。

体を動かすことが好きで、社交ダンス、山登り、ヨガ、キックボクシングなどを楽しんでいます。 

運動は、美容にも通じるところがあります。例えば、全身の筋肉を使う社交ダンスは、若々しさを保つのにとてもいいんです。ピンヒールを履いて踊るので、足裏の筋肉がかなり鍛えられます。足裏の筋肉は、おでこのシワとも関係があると言われていて、お悩みの方にはおすすめです。

また、月に1、2回は登山をしています。自然の中にいるとすごくリフレッシュできますよ。最近、クリニックのお客様でも山登りを楽しむ方が増えている印象です。標高の高い山は、いつも以上に紫外線に気を付けなければならない場所でもあります。山でのUVケア方法など、私自身の経験も含めてアドバイスさせていただいています。

体の内面からも美と健康をサポートしていけたら。

――施術中はどのようなことを意識していますか?

お客様が疑問に思ったことを聞きやすく、気になることを言いやすい雰囲気を作れるよう心掛けています。美容クリニックに対して、少し敷居が高いと感じ、緊張して来院される方も多いからです。まずは緊張をほぐすところから始めて、お客様のご要望を伺うようにしています。

レーザーの施術では目元を覆うため、体の感覚が敏感になって恐怖を感じられる方も少なくありません。私自身がベッドにぶつからないように気を付けたり、お客様の体への触れ方にも気を使ったりしています。

レーザーを照射する瞬間の声かけや、どの部位に当てているかの説明も必ず行います。基本的なことですが、お客様に安心して施術を受けていただくためには一番大切なことかなと思っています。 

――美容業界への思いは?

ここ最近、美容医療が身近なものになってきていますよね。ですが、残念なことに、美容クリニックで治療を受けるだけで終わり、と考えているお客様も結構多いんです。紫外線ケアを一切していないなど、ホームケアの方法が曖昧な方もいらっしゃいます。 

施術の効果を維持するためにも、ホームケアは必須です。ホームケアの必要性や正しいやり方をきちんとお客様にお伝えできるクリニックが増えるといいですね。当然、私たちのクリニックでも正しい知識を発信していく必要があると考えていて、今後はSNSでの発信なども強化していきます。

また、この先、外部からのアプローチだけでなく、体の内側から美を追求するお手伝いも求められてくると予想しています。私自身も「分子整合栄養医学」(オーソモレキュラー栄養療法)の勉強を始めました。分子整合栄養医学は、詳細な血液検査を行い、その方に不足している栄養素を把握したうえで栄養アドバイスをし、サプリメントを処方する療法です。

 これからの美容業界が、皮膚の治療と合わせて、内面からの美もサポートできるような業界になっていけばうれしいなと思っています。

――どんな美容ナースを目指していますか?

先ほどお話した分子整合栄養医学について学びを深め、ゆくゆくは自分のクリニックでも栄養サポートのメニューを取り入れていけたら、という野望があります。

また、肌のトラブルは、何かしらの対策で解決することができると思っていますので、相談だけでも気軽にクリニックに来ていただきたいです。美容医療と聞くと少しハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、気軽に頼ってもらえる看護師を目指していきます。

「あのクリニックに行って武さんに会えば、美容や健康のことが全てわかって、自分の理想が叶うよね」と言われるような美容ナースになりたいですね。

取材・文/小原らいむ