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2022.08.24 127pv

似合う眉アートメイクを教えてくれる!自然にぼかすグラデーションリップにも定評のあるアーティスト

渡邉 実穂

――これまでのキャリアを教えてください。

 大学で看護の勉強をしていたときから美容ナースの道に進みたいと思っていました。大学を卒業し、まずは臨床経験を積むために大学病院の皮膚科・眼科の混合病棟で1年間働きました。

 その後、都内の美容クリニックに転職。美容皮膚科のナースとして、4年ほど美肌治療に携わってきました。脱毛、シミ治療、ニキビ治療、たるみ治療など一通りの治療を行う中で、アートメイクと出会ったんです。

2022年2月からは、立ち上げにも関わったジェニーアートメイクの新宿南口院で、トップアーティスト兼マネージャーとして、眉、アイライン、リップのアートメイクの施術を行っています。

 ――学生時代から美容ナースを目指していたとのことですが、なぜ美容に魅力を感じたのですか?

 大学生の時に、自分自身が美容施術を受けたことがきっかけです。施術を受けたことで自分に自信がつき、前向きになれました。美容ナースになって、人を前向きな気持ちにするお手伝いができたらどれほどいいだろうと思ったんです。 

新卒で就職するときに選んだ科も、美容医療と領域の近い皮膚科でした。当初は3年ほど病院に勤める予定でしたが、勤務する中でやはり自分がやりたいのは美容医療だと実感し、1年で転職しました。

――渡邉さんは、どんなアートメイクを得意としているのでしょう? 

自信を持って施術できるメニューは二つあって、一つが眉アートメイクの「エアリーブロウ」です。パウダー技法と毛並み技法を組み合わせ、独自の技術で患者様一人ひとりに合わせた眉を作り出します。

いかにもアートメイクを入れました!という感じではなく、自然で抜け感のある眉に仕上げるのを得意としています。

もう一つは、色素をぼかしながら入れる唇のアートメイク「グラデーションリップ」です。一般的なリップのアートメイクは、まず唇を縁取りしてから中心部を埋めていく手法が主流で、これだとくっきりした印象になります。

 一方、グラデーションリップは、縁取りせずに全体的にぼかしながら色を入れていきます。中心の色味を濃く、外側の色味を薄く仕上げることで、よりナチュラルに見え、色落ちのムラも気になりにくくなるんです。ぼかすタイプのリップアートメイクは、施術できるアーティストはそう多くはないと思います。 

――その人に似合うアートメイクを施すためにどんなことを意識していますか? 

miho watanaba

アートメイクは、肌質によっても相性の良し悪しがあります。美容皮膚科のナースとして相当数の皮膚を見てきた経験を生かして、患者様の肌質に適した施術をおすすめしています。

例えば、オイリー肌に毛並みのアートメイクを施すと、線が滲んでぐちゃっとした見た目になってしまうことも。オイリー肌の患者様が毛並みのデザインをご希望される場合は、一人ひとりに合わせたデザインが可能なエアリーブロウの施術をご提案します。あえて線の本数を少なめにして線と線の間を広く取り、万が一滲んだとしても毛流れを残せるようにするのです。

このように、患者様のイメージやご希望を伺ったうえで、顔全体のバランスや毛量、メイクの習慣、肌質、普段着のテイストなどを総合的に見て、その方が一番素敵に見えるアートメイクを提供できたらと思っています。

トップアーティストの技術と明確なカウンセリングで、後悔させないアートメイクを

――施術で心掛けていることを教えてください。

施術そのものはもちろん、カウンセリングを大切にしてきました。カウンセリングでは、専門用語は使わずに、予備知識のない患者様にもわかりやすい言葉でお話することを心掛けています。これは、看護師の時から意識してきたこと。患者様の年齢層も高校生から80代までと幅広いので、その方に合わせた言葉を選んでご説明しています。

 アートメイクのことをきちんと理解し、納得して施術に臨んでもらいたいというのが私の思いです。持続期間やリスクについても知った上で、施術を受けないことも選択肢の一つだと考えているんです。

また、アートメイクは、施術直後と定着後では、少なからず見た目が変化するものです。どう変化する可能性があるのかを事前に知っておけば、変化に驚いたり、残念に感じたりすることも減るはず。そのためにも、丁寧な説明とカウンセリングは不可欠です。 

――美容業界に対して思うことは?

美容業界は、コロナ禍になってからの数年間で急成長を遂げました。クリニックが増え、低価格化も進み、さまざまな方が美容医療に挑戦しやすくなったのはうれしい変化だと思っています。

 でも、その反面で、同じ施術をクリニックによって異なるメニュー名で提供していたり、適正価格が不明瞭になっていたりと、知識の無い患者様にとってはどんどんわかりにくい業界になっているとも感じます。

アートメイクは特に、施術者の技量により、仕上がりに大きく差が出る施術だと思っています。実際にクリニック選びで失敗してしまう方もいるようで、2~3年前に施術を受けた患者様の他院修正を承る機会も多くなってきています。

 私は、後悔してしまう患者様が存在すること自体がすごく悲しいんです。美容医療が身近になったからこそ、後悔する方が一人でも減ってほしいし、むしろ満足できる方が一人でも多くなってほしい。技術のあるアーティストが増え、クリニックの選び方がもっと明確になる必要があって、美容業界全体としても進むべき道はそこだと考えています。

――最後に、渡邉さんの今後の目標をお聞かせください。

アーティストとして施術する傍ら、新人育成にも力を入れています。今指導しているナースたちのレベルを向上させることが目下の課題です。技術面はもちろん、カウンセリングの質も含めて、患者様に後悔させないアートメイクを提供できるアーティストを育てていきます。

 また、アートメイクのクリニックは、都内を中心に広がりを見せています。今後は、東京以外の地域にも、質の高い施術を受けられるクリニックを展開できたらうれしいなと思っています。

私は、実は結構おしゃべりなタイプなのですが、見た目の印象で怖いと思われてしまうことが多いんです。アーティストとして憧れの存在になれたらいいなと思う一方で、親しみやすさも感じてもらえるナースになりたいです。技術も接遇も含めて、「渡邉さんの施術がすごく良かったよ!」と、友人や家族に推薦してもらえるようなアーティストを目指します。

取材・文/小原らいむ