2023.01.24 43pv

オペ介助も経験する皮膚科主任として、皮膚・外科の両面からのアプローチで満足度を追求!

Asumi

――これまでの経歴を教えてください。

大学卒業後は大学病院の小児科に勤務し、プリセプターとして新人指導も経験しました。3年間小児科で働いた後、美容クリニックに転職することに。美容ナースとして初めて勤務したクリニックは、皮膚科の施術がメインで、目元の手術などの外科治療も一部行っているところでした。そのクリニックでは役職まで経験し、新人指導やリーダー業務も行いながら、5年ほど勤務しました。 

2021年からは渋谷のアーククリニックで働いていて、2022年にアークスキンクリニックができてからは皮膚科主任を任せてもらっています。現在は、皮膚科の業務を中心に、オペ介助に入ることもあります。後輩看護師の指導やマニュアル作成、動線の改善といったクリニック全体を整えるための業務も担当しています。

――美容医療の道に進もうと決めたきっかけは?

大学の実習でも小児科を選択していましたし、小児科はもともと希望していた科です。ですが、それと同時に美容に対しても興味がありました。

そして、病棟看護師として働くうちに、美容ナースという働き方があることを知りました。当時、美容医療といえば、整形手術など大掛かりな治療を行うイメージでした。しかし、美容皮膚科という分野があって、手術やエステとはまた違ったアプローチ方法で人をきれいにできると知り、自分も関わってみたいと思うようになったんです。

――得意とする施術はなんですか?

ハイフを得意としています。ハイフは、リフトアップや引き締めが期待できる一方で、まれではあるものの、神経障害などのリスクがあるため、解剖をしっかり理解している必要があります。私は、アーククリニックで行う骨切り術のオペ介助に入っているので、その経験と知識を安全かつ効果的なハイフの照射に生かせています。

また、ハイフでは、照射前のマーキングにこだわっています。マーキングの段階で、患者様の意見と看護師の見解を合致させておくことが患者様の満足度向上につながると考えるからです。鏡で確認していただきながら、左右差など患者様ご自身では気付きにくいところや、ボリュームを落としたくない部位への説明をしっかり行い、納得していただいてから施術に入るようにしています。 

アーククリニックでは、顔全体への照射に加え、目元やフェイスラインなどパーツのみの照射も提供しています。部分的な照射でも十分な効果を実感していただけるような方法を研究し、施術マニュアルにも反映してきました。

――皮膚科主任として、指導や教育面で大切にしていることはありますか?

前の職場でも後輩の指導を経験していましたが、アーククリニックに来てから新たに学んだことはすごく多いですね。あらためて実感したのが、自分が理解して説明していることであっても、必ずしも相手も理解できているわけではないこと。理解してもらえたのは半分以下かもしれません。相手に言いたいことを正しくわかりやすく伝えることがいかに難しいかを実感しました。

自分の伝え方に足りない点は無いかも考えますし、後輩たちが「ここがわからなかった」と気づいてくれたことも積極的に聞き入れるようにしています。

看護部長と協力しながら的確な指導を行い、どの看護師が担当しても質の高い施術を受けられるクリニックにすることが目標です。

施術以外でも満足のいく時間を提供したい

――施術で意識していることは?

自費診療の美容クリニックだからこそ、患者様の満足度にはこだわっています。美容医療は、マイナスからゼロの状態に戻すものではなく、プラスにする治療です。だからこそ、施術中だけでなく、クリニックに来てから帰るまでの全ての工程で満足してもらいたいと思っています。

具体的に何に気を付けているかというと、基本的なことですが、使用後の施術室の片付けや掃除を徹底し、患者様に気持ちよく利用していただける環境を常に整えています。また、部屋の温度や照明を患者様に合わせて調節したり、施術によっては体勢を変えていただく必要があるため、辛い体勢ではないか気遣ったりします。このような細やかな配慮が満足につながると思っています。

患者様に信頼していただき、安心して施術を受けていただくために、施術の効果だけでなく、ダウンタイムや副作用などのマイナス面も必ず伝えます。「〇日間ほど赤みが続く可能性がありますが、ご予定は大丈夫ですか?」と具体的に説明し、患者様ご自身でその施術を受けて大丈夫かどうか判断してもらえるようにしています。

――美容業界への思いを教えてください。

私が美容ナースになった当時と比べ、美容医療は多くの方にとって身近なものになってきていると思います。一方で、年齢が高い方には、今から治療を始めても遅いとあきらめている方が少なくない印象です。

ですが、その世代の方が施術を受けると、効果を実感されて「もっと早くやっておけばよかった」といった感想をいただくことが多いんです。もちろん、若いうちから美容医療を始めることは予防にもなりますが、年齢を重ねてから始めても遅くはない。このことをもっとたくさんの方に知っていただくことが、一つの課題だと考えています。

また、年齢問わず、美容室やネイルサロンに行く感覚で、定期的に美容クリニックで肌のメンテナンスをしてもらえたらいいなとも思っています。美容医療にも、コストを抑えられる治療、高額な治療などいろいろな選択肢があります。もっと身近なものとして感じていただけたらうれしいです。

――どんな目標を持っていますか?

数多くの美容クリニックがある中で、アーククリニックとアークスキンクリニックをたくさんの人に知ってもらうことが今の目標です。前の職場では主に皮膚科治療に携わっていたため、アーククリニックに来た当初は、外科治療に携わることにすごくドキドキしたのを覚えています。でも、手術は変化も大きいし、患者様の満足度も高い治療だということがわかりました。皮膚科も外科も、それぞれ違ったアプローチで患者様に喜んでもらえる分野だと実感しています。

当院のように、外科と皮膚科どちらにも信頼できる医師がいるクリニックはなかなか無いと思っていますし、そこが強みです。「美容に関する悩みは、アーククリニックに来れば全て解決できる」と言われるクリニックにしたいと思っています。

私個人としては、管理職として働きながら、まだまだ学ぶべきこともあるし、足りないところばかりだなと感じる毎日です。周りの看護師たちと一緒に成長していくためには、日々の勉強や患者様の満足度を向上させるための努力、改善すべき点を探し続けることが求められるでしょう。

皮膚科にも外科にも携われる恵まれた環境で働けています。皮膚科主任という立場にありながらも、外科との関わりも大切にし、幅広い知識を持った看護師を目指します。

取材・文/小原らいむ