2022.08.22 109pv

シミ一つひとつに合わせて出力を調節!IPL治療のスペシャリスト

永井京子

――まずはご経歴からお伺いできればと思います。

看護師になって1年目に大学病院の手術室看護師を経験した後、産婦人科に10年以上勤務しました。

その後、千葉県松戸市にある皮膚科・形成外科・美容皮膚科のクリニックに転職したことをきっかけに、美容医療に携わるように。そこのクリニックには50種類以上の美容医療機器があり、4年ほど勤める中でさまざまな施術の知識が付き、経験を積むことができました。

2021年から、SUEクリニック銀座に美容ナースとして勤めています。SUEクリニック銀座は、スレッドリフトに定評のある院長が経営する医院で、私は、レーザーをはじめとする美肌治療を担当しています。

――美容ナースになった経緯を教えてください。

息子が3人いて、全員がレスリングを習っています。子どもがある程度大きくなってきたときに、道場への送り迎えの都合で転職することにしました。そして、道場に近く、かつ皮膚科のあるクリニックを探したところ、松戸市のクリニックにたどり着きました。 

なぜ皮膚科だったかというと、レスリングは、マット菌と呼ばれるカビによって引き起こされる皮膚感染症や、耳介血腫(耳の潰れ)などで、皮膚科にお世話になることの多いスポーツだからです。

初めは、皮膚科の看護師として勤務するつもりで入職しました。美容医療にも力を入れている医院でしたので、そこから美容医療に携わるようになりました。

もともと、機械を触ったり、細かい作業をしたりすることは好きだったので、毛穴一つひとつを治療していくような美容医療は自分に合っていたのだと思います。産婦人科とは全く違う仕事内容ですが、とても楽しく、やりがいを感じながら働けています。

――得意な施術は何でしょうか?

特に自信を持って施術できるのは、IPL治療のルメッカです。ルメッカは、シミやそばかす、赤ら顔などのお悩みに向いています。個人的にはかなり良い機器だと思っているのですが、お客様の中には一度試してみたけれども納得のいく効果を得られず、良い印象が無いとおっしゃる方も少なくありません。

というのも、シミの濃さもさまざまですので、同じジュール数で顔全体を照射しただけでは、反応しないシミも出てきます。そこで私は、一つひとつのシミに合わせて出力を変えながら照射するようにしています。

シミの濃さに適したジュール数で照射すると、施術直後から多くのシミが反応していることがわかり、皆さん喜んでご帰宅されます。看護師としてもやりがいを感じられる治療ですね。施術を受けたお客様からは「こんなに細かく打ってもらったことはないです!」と感動していただけることもありました。

以前勤めていたクリニックには20人ほど美容ナースが在籍していましたが、ルメッカの指名はかなり多くいただいていました。1日10人近くのお客様を担当したことも。現在も口コミやご紹介により、たくさんの方がルメッカの施術を受けにきてくれています。

あとは、フラクショナルレーザー治療の一種であるモザイクリミテッドにも力を入れています。毛穴やニキビ跡にアプローチする治療です。

――レーザー治療のこだわりは?

お客様の悩みをできる限り改善してあげたいという思いのもと、目元などの施術しにくい部分であってもギリギリまで照射するようにしています。 

特に、目元にできるちりめんじわは、多くの方が気にされています。しかし、目元への照射は、失敗するとまつげを焦がしてしまうリスクもあり、相応の経験や自信がないと難しい部分でもあります。

「今までの施術では、本当に気になるしわまでケアしてもらえなかった」という声もよく聞きます。私自身も目元の小じわに悩む気持ちはわかるので、これまでに身に付けた技術を駆使し、満足していただける施術を目指しています。

本当に必要な施術かどうかを見極め、無駄のない治療を提供したい 

――お客様と接するときに意識していることはありますか?

40歳を過ぎると、大抵の方が似たような悩みを抱えるようになります。私も同じですので「気持ちはわかりますよ」と共感することからお客様とコミュニケーションを取るようにしていますね。 

また、カウンセリングでは、一番気になっている悩みは何かを必ず聞くようにしています。あげたらキリのない肌の悩みですが、まずは一番気になることを解消してあげたいと思っているからです。 

カウンセリングで伺ったお客様の悩みが、当院の設備で治療することが難しいものであれば、他の治療方法や他院をご提案することもあります。基本的に、必要がないと判断した施術はおすすめしません。当院の院長も同じスタンスです。 

――美容業界への思いをお聞かせください。

SNSで美容医療の情報を探すことが一般的になり、「○○という機器が良いとSNSで見て、興味があります」とご相談にいらっしゃる方も増えてきました。ですが、その施術が本当にその人にとって必要なのかといえば、必ずしもそうではないケースもあるでしょう。 

お客様がご希望されたものだからと、本当は必要のない施術まで行ってしまうのはどうなのかと思っています。自分が今までどんな治療を受けてきたのかよくわかっていない、とおっしゃるお客様もいて。でも、美容医療は決して安いものではないですし、本当に必要な施術かはクリニックが判断してあげるべきですよね。

 私は、お客様が希望される施術をただ提供するのではなくて、その方にとって本当に必要な治療なのかをカウンセリングを通じて見極め、必要なものだけ提供したいと思っています。儲け主義ではなく「気になるところを良くしてあげたい」という一心で、これからも治療にあたっていきたいです。

――今後の目標を教えてください。

一番の目標は、3人の息子を立派に育てあげることで、そのために仕事をしています。私は、シングルマザーですので、働く母の背中を子どもたちに見せてあげたいと思って日々働いてきました。やりがいを持って丁寧に働いているところを見せ、子どもに自信を与えられる母になりたいです。 

息子たちは、私がレーザー治療後に内出血を起こしていたり、アートメイクの色が濃く出すぎたりしていると、まるで口うるさい彼氏のように厳しく突っ込んでくるんです(笑) 

私のように、子どもや旦那さんになるべくバレずに美容治療を受けたい方は多いでしょう。本格的な整形手術をしなくても、肌がきれいになるだけで、見た目や印象はかなり若々しくなります。そのお手伝いができたらいいなと思っています。当院では、ダウンタイムの軽いレーザー治療も多く取り扱っているので、ぜひ一度ご相談しにきてください。

取材・文/小原らいむ